亀戸二丁目団地内、レトロな隠れ蕎麦居酒屋の最強アトモスフィアとホスピタリティ!
養生料理 高の(亀戸2-6-1)
護摩蕎麦(1320円)
「『外食』は単なる食欲を満たす行為ではなく、室温、音響、芳香、照明、装飾、設備、食器などから構成されるアトモスフィアや、入店後の席案内から注文、説明、確認、提供、会計に至るまでのプロセスが織りなすホスピタリティなど”も”『体験』するものだ」と、昔、ある方が書いていました。というのは真っ赤なウソで、たった今私がでっち上げました。
さておき、久々に本当に良い「体験」をしました。
お店の場所は亀戸二丁目団地内の一角。
風情のある落ち着いた店内は冷房が効きすぎておらず、風通しが良く涼しい風が通り抜けるのも好きだし、天井が高く、床もテーブルも隅々まで綺麗に掃除されていて清潔だし、朝7:00から酒が飲めるし朝蕎麦もあるし、最初に熱いお茶で最後に冷たいお茶を出してくれるのも好きだし、お店の人も超面白くて優しいし、なにより看板料理がおいしいし、言う事ナイス。まだお客さんの少ない、盛夏の午前中、というタイミングも良かったかもしれません。
看板料理の護摩蕎麦、今日は「鴨」「猪」「鹿」「鯨赤身」「鯨本皮」の5種類から選べました。「猪」に惹かれつつ、普段そんなに出会うことのない「鹿」を選択。
多少準備に時間がかかるらしいことを告げられ、「ミネラル摂ってくださいねー」と「生姜と胡瓜の和え物」を出され、「今日はよく来ていただきましたね」と「じゃが芋の刻み昆布煮」も出されました。大変恐縮。どちらも美味しかったです。
最初に出てきた三点セット、鍋と雑炊用の玉子と、とろろご飯。鍋に火が入ります。
いいですか、夏だから、この鍋仕様が生きてくるのです。現に今日も32℃を超える大暑でしたが、この熱々の食事で、とても体調が整いました。最高。
鍋が煮えるタイミングを見計らって、挽きぐるみの極太十割蕎麦が出てきました。太ウマそう!霧下そば粉を使い、鹿島神宮の湧き水で打ってるそうです。
「そろそろ大丈夫です」と言われ、鍋の蓋を上げます。鍋の中身は、大豆を蕎麦湯で炊いた呉汁に、黒ごま、葱、椎茸、牛蒡、蒟蒻などが入って栄養満点+ゴロンゴロンと大きな鹿肉。椎茸は肉厚の高級品だし、葱は綺麗に焼き目が入ってるし、牛蒡はよい香りだし、鹿肉は驚くほど柔らかい。
もちろん、めちゃウマありがとうございます!
極太蕎麦を楽しんだ後は、とろろご飯と玉子を投入して雑炊を堪能。「火は足りてますか?」と最後まで丁寧な接客も感動。
店主さんと少し話が出来たのですが、「料理はおいしいし、お店も最高です」と伝えると、場所柄もあり、開店以来色々あったとのこと。やはり酒を出す店は客層によって荒れることも多いのですが、ある時からきっぱりとお店の方向性を修正し、今では超優良なお客さんだけが常連となっている模様。曳舟かどこかで聞いたオハナシですね。感心して「よく方向修正できましたね」と言うと「相当嫌われました」とのこと。やはり、向島5丁目あたりでも聞いたオハナシですね。なるほどなあ。
今度フランスでそば打ちを披露し、教えてくるそうです。ひゃー、めちゃスゴおもしろい。
朝飲み、昼飲みが好きな方、ジビエで一杯が好きな方、早朝に朝蕎麦、お昼にヘルシーランチを楽しみたい方、お一人様にも超絶オススメです。