門前仲町・パズー「スパイスポークカレー」

グルメ

昭和家屋の飲み屋が軒を連ねる辰巳新道のカレーBar

パズー(門前仲町2-9-4
スパイスポークカレー(950円)

「辰巳新道」の名前の由来は諸説あり、門前仲町が皇居からみて巽(辰巳/南西)の方角にあるからという説がありますが、「いつのまにかそう呼ばれていた」というのが定説となっています。つまり、よくわからない。そもそもここは戦後の混乱の中で生まれた場所だったりします。

空襲で周囲が更地化→闇市が乱立→露天商撤去法により区画整理→行政が指定したエリアに集められる、というのが、都内にある多くの「○○横丁」の始まり方のひとつです。いわゆる露天商の後ろ盾はその筋の人たちで、後出しジャンケンで違法化された商店集団(+893)が国(+GHQ)と激しい交渉を繰り広げた末に、土地、家屋、営業権を手に入れる、という、ああ、この構図はどこかで見たような、という繰り返される歴史のお話。

ちなみに「雨の辰巳新道(2012年)」という歌もあります。

現在、辰巳新道には28軒のお店が並んでいます。一番北から2軒目(B5)が「パズー」。

店主さんひとりの営業。元々神田のダイニングバーで働いていて、そのときに裏メニューとして出していたカレーがベースになっているとのこと。

お店自体の色々な歴史、紆余曲折はここでは省きますが、現在、昼は「スパイスポークカレー」のみを提供しており、夜は「カレーbar」として営業しています。お酒は常時オーダー可能。昼のメニューは1品だけなのですが、トッピングの種類が果てしなくあるので、マイベスト組み合わせを探し当てましょう。それにしても「チョコレート&カカオライス」(+600円)って何だろう。

ディデアン(富岡1-15-3)といい、マヒールマヒール(富岡1-5-15)といい、チェーンやインド料理屋系ではない門前仲町のこうしたショップオリジナルスパイスカレーは、それぞれが独自進化をしている生き物みたいな感じなので、長いスパンで追いかけてみるのもよいかもしれません。